「けっきょく、よはく。」シリーズの第3弾です。

全3作の中で、この「あしらい」が一番好きかもしれません。なぜって?それは、あしらいで悩むことが多いからです…。あしらいの幅は、デザインの幅と言っても過言ではないように思います。「ポップ」「ビジネス」「ラグジュアリー」など、デザインのテーマにあった「あしらい」…つまりはリボンや吹き出しなどの装飾や、文字や背景テクスチャなどの細部の加工のアイデアが紹介されていて、実用的で非常に助かる一冊です。

もちろん、前作・前々作のように、なんとなくデザインに行き詰ったときにパラパラとめくって、デザインのアイデアやインスピレーションを得るために使うこともあります。

そのあしらい、古くない?ということで、なんとなく整っているけれど、ひと昔前の「あしらい」で残念な印象のNG例と、今っぽくて抜け感のある「あしらい」で、お洒落な印象のOK例を左右で見比べながら、具体的にどこが良くないのか?最近のトレンドに合った「あしらい」のコツ、テクニックを学ぶことができます。OK例は複数パターン用意されているので、同じ内容でもこんなに幅広いデザインのバリエーションが作れるんだ、ということも勉強になります。

今回も作例の背景として「打ち合わせメモ」というクライアントの要望が書かれていて、よりリアルにデザインを感じられます。また、新米デザイナーの「いまいちさん」の悩みに対して、ベテランデザイナーの「しゅっと先輩」が解説する、という流れで、二人のやりとりを通じて、分かりやすく、優しく読み進めることができるのも、前作・前々作同様です。

気が付くといつも同じあしらいで同じようなデザインになってしまったり、逆に素材サイトで色々な装飾をダウンロードした結果、過剰なあしらいでコテコテなしつこいデザインになってしまったり。そんな駆け出しデザイナーさんへおすすめです。

注目させるための「あしらい」、雰囲気を演出するための「あしらい」、情報を整理するための「あしらい」など、趣旨に合わせた効果的なあしらいが学べる作例が豊富です。

「あしらいの引き出しを増やしたい」「さりげないあしらいを効かせたい」「今っぽい、お洒落なデザインにしたい」そんなあなたは、こちらの本を検討してみてはいかがでしょうか。

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